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MBK法の特徴

MBK擬ポテンシャル [6]は、Vanderbiltのウルトラソフト擬ポテンシャル [10]の理論においてノルム保存を課したものです。 この特徴のため、分離型擬ポテンシャルの構築の際に同じ軌道角運動量量子数を持つ複数の状態を考慮することが可能です。 したがってMBK法は浅い内殻状態を擬ポテンシャルの構築に含める際、BHS法 [5]やTM法 [4]などのノルム保存擬ポテンシャルより高精度であることが保証されます。 MBK擬ポテンシャルを作成する際には、キーワード「pseudo.NandL」の5列目によって与えられるエネルギーに留意して下さい。 一般には、エネルギーをゼロに設定した状態から調整を始めると良いでしょう。MBK法では、分離型の射影演算子数は 同じ軌道角運動量量子数を持つ状態数によって決定されますので、価電子の選択によって射影演算子数が$l$成分毎に異なる可能性があります。 また、キーワード「vps.type」によってMBK法が選択された場合でも、価電子中で一つしか状態が存在しない$l$成分に対しては、TM法が適用されます。 該当する$l$成分に対しては、キーワード「Blochl.projector.num」によって射影演算子数が決定されることに注意して下さい。



t-ozaki 2014-01-09