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キーワード「calc.type」で「VPS」を指定した際に、全電子ポテンシャル、半局所的擬ポテンシャル、分離型擬ポテンシャルの
   動径波動関数の対数微分を計算する場合には、キーワード「log.deri.RadF.calc」を「ON」に指定して下さい。
   計算しない場合には「OFF」を指定して下さい。
   計算された対数微分はファイル「*.1d0」、 「*.1d1」、……、に出力されます。
   ここで、「*」はユーザーが指定した「System.Name」であり、ファイル拡張子「ld」に付随した数字は、軌道角運動量量子数 です。
   キーワード「eq.type」を「dirac」と指定し、完全な相対論的計算を行う場合には、ファイル名は「*.ld%_#」となります。
   ここで、%については、
です。
   キーワード「eq.type」を「dirac」と指定し、完全な相対論的計算を行う場合には、ファイル名は「*.ld%_#」となります。
   ここで、%については、 と
と に対応する、0または1となります。
   これらのファイル中で、1列目はエネルギーが、2列目(
に対応する、0または1となります。
   これらのファイル中で、1列目はエネルギーが、2列目( )、3列目(
)、3列目( )、4列目(
)、4列目( )は、それぞれ全電子ポテンシャル、
   半局所的非分離型擬ポテンシャル、分離型擬ポテンシャルの動径波動関数の対数微分が出力されています。
   対数微分のこれらのファイルへ出力に加え、分離型擬ポテンシャルの可搬性を判別するための量
)は、それぞれ全電子ポテンシャル、
   半局所的非分離型擬ポテンシャル、分離型擬ポテンシャルの動径波動関数の対数微分が出力されています。
   対数微分のこれらのファイルへ出力に加え、分離型擬ポテンシャルの可搬性を判別するための量 、
、 が
   次式によって評価されます。
が
   次式によって評価されます。
   
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 と
と がゼロの場合に、最大の可搬性が期待されます。
   したがって可搬性の向上には
がゼロの場合に、最大の可搬性が期待されます。
   したがって可搬性の向上には と
と が小さい擬ポテンシャルを作成することが条件となります。
が小さい擬ポテンシャルを作成することが条件となります。
    と
と は標準出力(画面上)に出力されます。
は標準出力(画面上)に出力されます。
キーワード「calc.type」で「VPS」を指定し、さらにキーワード「log.deri.RadF.calc」が「ON」の場合には、 キーワード「log.deri.MinE」は動径波動関数の対数微分の計算に使用するエネルギーの下限 (Hartree)を与えます。
キーワード「calc.type」で「VPS」を指定し、さらにキーワード「log.deri.RadF.calc」が「ON」の場合には、 キーワード「log.deri.MaxE」は動径波動関数の対数微分の計算に使用するエネルギーの上限 (Hartree)を与えます。
キーワード「calc.type」で「VPS」を指定し、さらにキーワード「log.deri.RadF.calc」が「ON」の場合には、
  キーワード「log.deri.R」によって、動径波動関数の対数微分を計算をする半径(a.u.)を指定します。
  「eq.type」で「sch」または「sdirac」を指定した場合には、キーワード「log.deri.R」によって、
  それぞれの軌道角運動量量子数 に対して以下の様に半径を指定します。
に対して以下の様に半径を指定します。
   
   <log.deri.R
    0  2.2
    1  2.4
   log.deri.R>
   記述の最初は、「 log.deri.R」で始まり最後は「log.deri.R
log.deri.R」で始まり最後は「log.deri.R 」でなければなりません。
   1列目は角運動量の量子数
 」でなければなりません。
   1列目は角運動量の量子数 で、2列目の数字は動径波動関数の対数微分を計算する半径です。
   「eq.type」で「dirac」を指定した場合には、
   それぞれの軌道角運動量量子数
で、2列目の数字は動径波動関数の対数微分を計算する半径です。
   「eq.type」で「dirac」を指定した場合には、
   それぞれの軌道角運動量量子数 に対して以下の様に半径を指定します。
に対して以下の様に半径を指定します。
   
   <log.deri.R
    0  2.0 1.9
    1  2.0 2.1 
   log.deri.R>
   ここで2列目と3列目は、それぞれ、 および
および  の動径波動関数の対数微分を計算する半径を指定します。
の動径波動関数の対数微分を計算する半径を指定します。
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