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分数核電荷を持つ仮想原子

分数核電荷を持つ仮想原子を導入した計算が実行できます。 これは分数核電荷を持つ仮想原子の擬ポテンシャルを使用することで可能となります。 仮想原子の擬ポテンシャルはADPACKで生成できます。ADPACKでの関連するキーワードは次の様に与えられます。

     AtomSpecies            6.2
     total.electron         6.2
     valence.electron       4.2 
     <occupied.electrons 
      1   2.0
      2   2.0  2.2
     occupied.electrons>
上の例は炭素原子と窒素原子の中間に位置付けられる仮想原子に対するものです。 仮想原子の擬ポテンシャルに対応する基底関数は同じ分数核電荷を持つ仮想原子に対して 生成しなければなりません。これは、*.paoに保存されている原子の電子密度を用いて 中性原子のポテンシャルが作成されるためです。 例として、この方法をより計算したC$_{7.8}$N$_{0.2}$のDOSを図 30 に示します。 入力ファイルはディレクトリ「work」中の「DIA8-VA.dat」です。 この計算では、単位セル内の8個の炭素原子の内の1つを、有効核電荷4.2の仮想原子に置き換えました。 これはC$_{7.8}$N$_{0.2}$の化学量論的化合物に相当しています。


Figure 30: 仮想原子の擬ポテンシャルを使って計算したC$_{7.8}$N$_{0.2}$の状態密度(DOS)。 用いた入力ファイルは「work」ディレクトリ中の「DIA8-VA.dat」。
\includegraphics[width=13.0cm]{dia8-va.eps}