next up previous contents index
Next: 仕事関数の計算 Up: 有効遮蔽媒質法(ESM法) Previous: 概要   Contents   Index

テスト計算例

デモ計算として、図 53 (a)に「真空+理想金属」(ESM.switch=on3)の境界条件の下で、$1\times 1$のアルミニウム終端Si(111)スラブ中の余剰電荷$\rho _{\rm ex}$分布を示します(このテスト計算の入力ファイル「Al_Si111_ESM.dat」はworkディレクトリにあります)。 ドープ電荷とそれに対応して発生する鏡像電荷との間の引力的相互作用により、スラブ内にあるドープ電荷が理想金属側の表面に偏析している様子がわかります。図 53 (b)は、図 53 (a)に示した各条件でのHartreeポテンシャル変化 $\Delta V_{\rm H}$を示しています。ここで、Al-Si(111)スラブ内部のポテンシャルと、スラブと理想金属間の電場はドープした電荷の量に従って変化します。


Figure 53: 真空+理想金属の条件におけるSi(111)スラブモデル。 (a) Si(111)スラブ中の過剰電荷$\rho_{\rm ex}$の分布。 (b) Si(111)スラブのバイアスによるHartreeポテンシャルの変化 $\Delta V_{\rm H}$。 ドープした電荷の量は-0.01、-0.005、+0.005、+0.01 e。 各プロットは同じESMによる中性のスラブを基準とした電荷またはHartreeポテンシャルの差の変化。
\includegraphics[width=12.0cm]{ESM2.eps}