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解析

補間バンド構造の表示

補間バンド構造を表示するためには、キーワード「Wannier.Interpolated.Bands」を「on」に設定して下さい。

     Wannier.Interpolated.Bands             on    # on|off, default=off
k経路と経路に沿ったサンプリング密度などの他の必要な設定は、OpenMXにおけるバンド分散を表示するための設定と同様です。 従って、補間バンド構造を作成するために、キーワード「Band.dispersion」を「on」に設定しなければなりません。 収束後、補間バンド分散データは「.Wannier_band」の拡張子を持つファイルに保存されます。 このファイルは「.Band」ファイルと同じ形式です。 一例として、ダイヤモンド構造におけるSiの補間バンド構造と元のバンド構造を図 47 (a)に示します。


Figure 47: (a) ダイヤモンド構造におけるSiの補間バンド構造(シンボル線)と元のバンド構造(実線)との比較。 (b) ダイヤモンド構造におけるSiのフェルミ準位近くの4つの価電子状態と4つの伝導状態からなる8つのMLWFの一つ。 sp3混成の初期推定から計算したもの。
\includegraphics[width=15.0cm]{Wannier_Si.eps}



MLWFの描画

MLWFを描画するためには、キーワード「Wannier.Function.Plot」を「on」に設定して下さい。 デフォルト値は「off」です。

   Wannier.Function.Plot                  on         # default off
   Wannier.Function.Plot.SuperCells      1 1 1       # default=0 0 0
キーワード「Wannier.Function.Plot」を「on」に設定すると、すべてのMLWFを描画するためのファイルが生成されます。 MLWFは、例えば「.mlwfl_4_r.cube」のファイル拡張子を持つGaussian Cube形式のファイルで保存されます。 このファイルは、HOMOやLUMOといった分子軌道ファイルと同じ形式で名前が付けられています。 「.mlwfl」の後の数字はスピン・インデックスを、次の文字はMLWFのインデックスで、最後の文字「r」はrealを、「i」はimaginaryを表し、 それぞれMLWFの実部と虚数部という意味です。 ユーザーは、MLWFを描画するスーパーセルのサイズを設定できます。 キーワード「Wannier.Function.Plot.Supercells」によりそのサイズを指定します。 上の例における「1 1 1」は、単位格子セルを中心に置き、a軸、b軸、c軸方向のプラスおよびマイナス方向に1だけ拡大するという意味です。 従って、この場合のMLWFは、27個 $=(1\times2+1)\times(1\times2+1)\times(1\times2+1)$のセルからなる拡張セルに描画されます。 図 47 (b)は、ダイヤモンド構造におけるSiのフェルミ準位近くの4つの価電子状態と4つの伝導状態からなる8つの収束したMLWF内の一つを示したものです。