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バルクのエネルギー曲線計算に関するヒント

格子定数の関数としてバルク系のエネルギー曲線を計算する際には、エネルギー曲線に不連続性が現れる場合があります。 一般に、この不連続性は格子定数の変化に伴い積分に用いられている実空間グリッドのグリッド数が変化することによるものです。 例として、図5にbcc-Feのエネルギー曲線を示しますが、カットオフエネルギーが固定であるとき(200および290 (Ryd)の場合)、 エネルギー曲線が不連続(それほど顕著ではありませんが)になっていることが分かります。 不連続なエネルギーの飛びは計算グリッド数が変化する格子定数において発生しています。 エネルギー曲線上の不連続性を避けるために、キーワード「scf.Ngrid」を使うことができます。

    scf.Ngrid     32 32 32    # n1, n2, and n3 for a-, b-, and c-axes
このキーワードによって実空間グリッド数が明示的に指定された場合には、キーワード「scf.energycutoff」で指定したカットオフ を参照することなしに、ここで与えたグリッド数で各単位胞ベクトルが離散化されます。 図5から分かるように、32$\times$32$\times$32に固定されたグリッドによる計算では滑らかな曲線が得られています。

Figure 5: 格子定数の関数としてのbcc鉄の全エネルギー(実験による平衡格子定数a$_0$は2.87Å)。 2原子を含む立方単位胞により計算。入力ファイルは「work」ディレクトリ内の「Febcc2.dat」。
\begin{figure}\begin{center}
\epsfig{file=FeE.eps,width=11.5cm}
\end{center}
\end{figure}



t-ozaki 2013-12-23